立てばシャクヤク
座ればボタン
歩く姿はユリの花

枝分かれしやすく横張りの樹形になる牡丹とは対 称的に、枝分かれせずにまっすぐ伸びた芍薬の茎を、スラリと立つ女性の美しい姿になぞらえた言葉です。 芍薬はボタン科の多年草で、牡丹が「樹木」であるのに対して、芍薬は「草」です。30数種の野生種(日本ではヤマシャクヤクなど)がありますが、一般に芍 薬というと改良種 (園芸品種)を指します。 露地栽培のシーズンは地域にもよりますが4月〜6月の初夏。茎は長く60cmほどで、なかには1mを超えるものもあります。原産地は中国東北部といわれ、 日本へは平安時代以前に薬草として伝えられ、その後は観賞用として多数の園芸品種がつくられてきました。日本で品種改良された 「和シャクヤク」は一重咲きや翁咲きなど、比較的シンプルですっきりした花形のものが多いのに対し、ヨーロッパで品種改良された「洋シャクヤク」は手まり 咲きやバラ咲きなど、弁数が多く香りの強いものが多くあります。和洋の交配による新しい品種、ボタンとの交配種もあります。日本では、多数の品種が長野 県、新潟県などの山間部を中心に栽培されています。芍薬は、春に芽を出し、初夏花をつけ、秋から冬に地上部が枯れて休眠します。休眠中に株を分けて増やす ことができます。
参考 NHK出版「みんなの趣味の園芸」   



「芍薬の品種改良成績」(昭和7年神奈川県立農事試験場発行)より
 



 
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